阿字観 – 音節 “阿”の瞑想法
阿字観とは、真言密教の瞑想法であり、示現流・東郷重位が剣術の修行に適した精神を整えるために役立てていました。この瞑想法は、外界と自分を隔てる壁を打ち破り、周囲と一体になること、つまり「世界と自分はひとつである」ことを実感することを目的にしています。
音、形、そして音節の意味を中心に据え、ムドラ(手振り)、マントラ(話し言葉)、精神状態を組み合わせて、心の本質を悟るというものです。
″阿 ″の持つ意味
阿字観の稽古は、示現流の道場で行われます。阿字観の本尊掛け軸は、満月の上に開いた蓮の花の上に、梵字の「阿」が描かれています。月の円盤は純粋さと光を、蓮は周囲の汚れた水を取り除いて美しい花を咲かせ、悟りを開く可能性を表しています。そして梵字の「阿」は、全宇宙と宇宙の仏陀「大日如来」を表すタントラの種子音節を意味しています。
ガイド付き瞑想
可能であれば結跏趺坐、半跏趺坐、正座、もしくは椅子の上にお座りいただき、瞑想の指導を受けます。瞑想は、阿字観で修行した示現流の門人が直接指導し、その過程と使用するムドラやマントラの一部を説明します。瞑想終了後、質疑応答の時間を設けます。